一般に分厚い鉄板で食材を焼くと美味しく焼けるとよく言われています。
なぜでしょう?
そこで、
・鉄の特性と鉄板の厚さと料理の関係
について、夏休みの自由研究のような検証をしてみました。
広い空間が必要な建物に、鉄骨建築が多いのは、鉄が丈夫だからです。
倉庫とか体育館とか商業施設とか・・・
鉄骨の柱や梁を使えば、たくさん柱を立てなくてもいいわけです。
アツアツ鉄板は、建築用の鉄骨を使っています。
調理器の強度を競う大会(高いところから落としたり、ゾウが踏んだり・・・)があれば、優勝するかもしれません。
料理の味にはあまり必要のないメリットではありますが、傷が付いたら買い替えなければならないフッ素加工のフライパンのようなストレスはありませんし、”丈夫”ということも、使えるヘラなどに制限がないので、広い意味では、美味しく食べるには大事な特性でもあるのです。
同じ鉄でも形が自在にできる鋳鉄(イモノ)は、一般にヒートショックや衝撃に弱いと言われています。
直接味に関係のある特性は、熱伝導率と蓄熱性です。
これが、味にたくさんのメリットをもたらします。
鉄は他の金属に比べて、熱伝導率が低く、蓄熱性が高い素材です。
熱伝導率が低いということは、熱が伝わりにくい、つまり、温まりにくい、冷めにくいということです。熱をため込むことができるのです。
銅鍋やアルミの鍋に比べれば3倍くらいです。
そして、その熱容量は、(色々な計算式があるそうですが)
熱容量=たてxよこx厚さx比重x比熱
で求められるので、厚ければ厚いほど冷めにくいということになります。
そこで、アツアツ鉄板6mmと普段使っている1.5㎜弱の鉄のフライパンでどれほど蓄熱量が違うのか実験してみました。
鉄板とフライパンをそれぞれ3分ずつ、同じ火力で熱します。
そして、10回、水をスプレーします。
6mmのアツアツ鉄板では、スプレーした瞬間から水蒸気になってしまい、10回目でも蒸発の速度はほぼ変わらず、水は残りません。
フライパンは、最初から、すべての水が蒸発することはなく、スプレーのするたびに蒸発量は減っていき、しばらく水は残っています。
お詫び:フライパンは普通3分も温めませんが、鉄板と比較するために怖々やってみました。
ちょっとビビって、スプレーの速度が速いです。すみません。